こんにちは、Cheer-Ath-Up代表サンチェスです。今まで5つのチアリーディングチームに帯同させていただいた経験から、Cheer-Ath-Upを開業してチアリーダーを専門にサポートしています。
チアリーディングでは、タンブリングやスタンツなどさまざまな場面で腕を酷使します。エクステンションレベルのパフォーマンスでは、バンザイをした姿勢でトップを支えることが求められます。球を投げる途中でバンザイを経過するような競技と比べても、チアリーディングはバンザイの状態そのものでパフォーマンスをする場面が多くあります。
野球などの競技では、肩の柔らかさを作ろうとストレッチを頑張ることが多いです。しかしチアリーディングでは、柔らかさを作るだけでは不十分です。バンザイの姿勢のまま、力強く体重を受け止められるだけの筋力が必要になります。
チアリーディングで多い肩の痛みを予防するために、力強さを作るトレーニングが欠かせません。今回は、私がチアリーディング選手によく指導している「ダウンドッグ」についてご紹介します。
チアリーディングで肩の怪我予防が大切な理由
チアリーディングでは、エクステンションやショルダースタンドといった、大きくバンザイする姿勢で技を繰り出すことが多くあります。また、ジャンプやタンブリングで体重を支えたり、素早く腕を振り回すような動きも繰り返されます。
大会に向けていつもと違う練習をする、練習量が増える——そうして疲労が溜まってくると肩の動きが悪くなり、思いがけないタイミングで肩を痛めてしまうことがあります。「ロンダートした瞬間に痛かった」「スイッチをキャッチしたときに鋭く痛んだ」といった相談を受けることも少なくありません。
肩関節は、整形外科でリハビリに携わっている立場から見ても、一度痛めると治すのが大変で、じっくりリハビリしないと再発しやすい関節です。痛めてからの対策ではなく、チアを楽しく続けられるように、事前に怪我をしない体づくりをしていきましょう。
ダウンドッグがチアの肩トレに向いている理由
前述の通り、チアリーディングではバンザイをした姿勢で体重を支えることが多くあります。
高く腕を持ち上げる筋肉(ダンベルの上げ下げのイメージ)と、腕を持ち上げたままキープして体を支える筋肉(逆立ちのイメージ)は、それぞれ別の鍛え方が必要です。腕立て伏せやダンベルを使った上げ下げでは、高く持ち上げるための筋肉は鍛えられますが、逆立ちをキープするときのように体を支える筋肉までは鍛えられません。
腕立て伏せやウエイトトレーニングなど、他の優秀なトレーニングで力強さの土台を作りつつ、「ダウンドッグ」でチアに必要な筋肉を仕上げていきます。怪我をしないために必要な肩周りの筋力づくりには、適切な順番があります。
1. 猫のポーズ
2. ダウンドッグ
3. ダウンドッグ・トータッチ
1が準備運動、2がストレッチ、3が肩周りの安定化トレーニングという流れです。
実践① 「猫のポーズ」で背中〜肩を動かす
まずは、チアに必要な柔らかさから作っていきます。「猫のポーズ」で肩と背中を動かしやすくしていきましょう。胸を床に近づけるように背中を脱力していくことで、背骨が上手に反らせるようになります。
腕を上げたり、その姿勢でしっかり力を入れていくためには、胸椎(胸の高さの背骨)の柔軟性が大切になります。じっくり伸ばしていきましょう。
ゆっくり、痛くない範囲で30秒を2回行います。
実践①がウォーミングアップ、実践②が体の調子を整えるトレーニング、実践③が力強さを鍛えるトレーニングです。順番に取り組んでいきましょう。
実践② 「ダウンドッグ」で肩周りを安定させる
①の猫のポーズで肩〜背中をウォーミングアップしたら、体の調子を整えるための「ダウンドッグ」を始めます。
腕立てポジションで、床を手のひらでしっかり押し続けながら動かしていきます。逆立ちを安定させ、エクステンションレベルの技を安定させることにもつながります。怪我予防のために使えるようにしたい筋肉にスイッチを入れて、楽しくチアを続けるための体の調子を整えることができます。
この動きをゆ〜っくり15回、2セット行います。体を引き、肩を上げた位置でもしっかりと床を押し続けるのがポイントです。膝は曲げていても伸ばしていてもかまいません。脇の下の筋肉である「前鋸筋」を意識しやすくしてくれる、貴重なエクササイズです。
実践③ 「ダウンドッグ・トータッチ」で肩を強くする
②のダウンドッグから、「ダウンドッグ・トータッチ」へ進みます。チアリーディングでよく言われる「トゥタッチ」ではなく、こちらは”つま先を触る”動作です。
「片手でしっかり押し続ける」ことで、鍛えたい筋肉に強い刺激を入れやすくなります。
バンザイに近い姿勢でしっかり力が入るようにするために、大切な運動です。一回の動作を5秒ほどのスピードで行い、左右10回ずつを2セット行います。これだけで完結させるというより、腕立て伏せやプランクなどのトレーニングと組み合わせて「ダウンドッグ・トータッチ」を取り入れることで、他の運動だけでは鍛えにくい部分に上手に刺激を入れ、「チア力」を作ることができます。
練習前のルーティンとして
① 猫のポーズで肩と背中を動かす
② ダウンドッグで押す感覚を作る
③ ダウンドッグ・トータッチを10回ずつ行う
この流れで肩周りを十分に温め、鍛えてから練習に取り組みましょう。
【注意点】痛みがあるときは無理をしない
このトレーニングの目的は、肩の怪我予防と「チア力」を作ることです。すでに痛みがある方、肩が引っかかるような感覚がある方、力が入りづらい方は、無理に行う必要はありません。
「違和感を軽減したい」「昔の怪我の再発を防ぎたい」というときにも活用しやすいエクササイズです。
まとめ
チアリーディングで肩周りの怪我をせずに、楽しくチアを続けるためには、柔軟性だけでなく力強さが欠かせません。
特に、腕を上げた状態を安定して押し続けられる力強さが重要になります。
その柔軟性と力強さを作る基礎トレーニングとして、①〜③の運動をご紹介しました。特に痛みがない方であれば、ぜひ全員に取り組んでいただきたい内容です。
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